Quartett!

リーナシナリオキボンヌ!!


……変な出だしでごめんなさい。
というわけでLittlewitchQuartett!を終わらせたので軽くレビューします。


・システム
このゲーム最大の特徴であるFFDという表現方法ですが、簡単にいってしまえば動く漫画です。
読む順番に従ってコマがカットインして台詞はフキダシで表示されます。
ある程度コマとフキダシで埋まったらページをめくるようにして場面が変わり
コマとフキダシが次々と表示されていく……。
基本はこの流れです。
オートモードにすれば勝手にめくってくれる漫画を読む感覚で楽しめます。


だからといってただの漫画かというとそうではなく、
コマの上にコマを重ねたりフキダシを震えさせて台詞を強調したりと
コマを動かせる利点を活かして従来の漫画では不可能だった表現が使われています。
このシステムのおかげで中だるみも感じることなく最後まで話を追うことが出来ました。


・グラフィック


通常は立ち絵などでお茶を濁すような場面でも
漫画のように1コマ1コマ状況が描かれているのでグラフィック総点数は膨大です。
そのグラフィック数の多さに反比例してか、原画や塗りがラフな絵が多く見受けられました。
しかし、そのラフさも漫画におけるギャグ絵的存在だったり大槍氏の画風に合うものだったりと
作品を興ざめにしてしまうような物ではありません。
むしろラフさが手作業の暖かさを出し、親しみやすくしていたように感じました。


・シナリオ
ヒロインは3人いて三者三様のシチュエーションと結末が用意されています。
前半はカルテット結成からコンクール出場に向けての話で、全キャラ共通のシナリオが展開します。
後半は前半の選択によって各キャラのシナリオが展開します。


日常はコメディーなシーンがほとんど。
しかし時折各キャラの裏側を匂わせるシリアスな場面が挿入されたり
後半になれば各ヒロインのシリアスな話が展開して涙を誘う場面もあったりと
コメディーに終始せず話としてまとめられてます。
ただし、シチュエーションも結末もありきたりな内容でした。


全体を通しての感想は「短い」です。
特にカルテットとしてまとまっていく過程が描写不足の感がありました。
冗長だが事細かに描写してある方を好むか
簡潔に語られ想像*1の余地がある方を好むか
これによって評価が変わる所でしょう。
Quartett!は後者に当たると思います。


私としては軽いシナリオは
システム的にも気軽に読める漫画感覚でマッチしていたと思いますが、
その反面終わった時に「もう終わり?」って物足りなさも感じました。


・音楽
このゲームのもう一つの特徴が音楽です。
音楽を題材にしただけあってBGMにも気を使って制作されたこの作品、
特に設定にあわせたカルテット構成の生演奏をBGMとして多数使われていて、
ここぞという場面で生演奏の曲が流れ出し涙を誘います。
やっぱり生演奏の感情のこもった音は凄いです。


・総評
軽快で見た目が楽しいシステムと気軽に楽しめるストーリー。
漫画を読むような気軽な気持ちで作品に接するのがベストだと思います。
終わった後の感覚は「あーおもしろかった」


このシステムを実現させたスタッフのセンスと労力に敬意を払います。

*1:二次創作